障子は実はガラス窓よりも熱を通しにくく、建具そのものの断熱性能は決して低くありません。
それでも和室が寒く感じられるのは、木枠のゆがみやふすまの合わせ目にできる隙間から入り込む冷気が原因です。
後付けできるグッズを使えば、建具そのものを取り替えなくても、この隙間を手頃な費用でふさぐことができます。
なぜ和室は寒いと感じやすいのか
築古戸建てを見て回ると、リビングや洋室は内窓や断熱シートで対策が進んでいても、和室だけ手つかずのまま残っているケースをよく見かけます。
和室は洋室と違う独特の建具構造を持っているため、対策の考え方も少し変わってきます。
障子紙自体の断熱性能は実はそれほど低くない
障子紙は、ガラスに比べて熱を通しにくい性質を持っています。
つまり障子そのものは、決して断熱性能が低い建具ではありません。
木枠のゆがみ・ふすまの合わせ目から入る隙間風が主な原因
障子やふすまが寒く感じられる主な原因は、紙の性能ではなく木枠の隙間にあります。
木製の建具は湿度の変化で伸び縮みするため、季節によって微妙にゆがみが生じ、レール部分に隙間ができやすくなります。
ふすまも同様に、2枚の建具が重なる「召し合わせ」と呼ばれる部分に隙間ができやすく、ここから冷気が入り込みます。

つまり和室の寒さ対策は、紙を厚くすることよりも、まず隙間をふさぐことが優先度の高い対策になります。
障子まわりの断熱DIYグッズを比較する
障子の断熱DIYには、大きく分けて「紙を変える」方法と「隙間をふさぐ」方法の2つのアプローチがあります。
断熱障子紙(二重貼りタイプ)
通常の障子紙よりも厚みがあり、二重構造で空気の層を作るタイプの障子紙が市販されています。
価格帯は1コマあたり数百円〜1,000円台程度で、通常の障子紙とほぼ同じ手順で張り替えられる手軽さが利点です。
破れにくい素材のものを選べば、小さな子どもやペットがいる和室でも扱いやすくなります。
障子用すきま風防止テープ
障子の下部レールや戸当たり部分に貼る、モヘア素材やスポンジ素材のすきま風防止テープも効果的です。
価格は数百円程度からと手頃で、持ち家の隙間テープと同じ考え方で和室の建具にも応用できます。
実際の貼り方や選び方の基本は持ち家の隙間テープ・すきまパッキンを比較するでも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
内窓DIYキットとの比較(和室に使えるか)
窓ガラスに内窓DIYキットを追加する方法は、断熱効果の高さで人気があります。
ただし和室の窓は、鴨居や柱の間隔が洋室の掃き出し窓と異なる特殊なサイズになっていることが多く、既製サイズの内窓DIYキットがそのまま取り付けられないケースがあります。
施工前に必ず実際の窓枠を採寸し、対応サイズを個別に確認してから購入するようにしてください。
採寸や施工でつまずきやすいポイントは、洋室の窓を対象にした記事ですが内窓DIYキット、採寸・施工でつまずきやすいポイントも参考になります。
ふすま・引き戸まわりの断熱DIYグッズを比較する
ふすま用すきまテープ・戸当たりパッキン
ふすまの召し合わせ部分や敷居のレールには、専用のすきまテープや戸当たりパッキンを貼ることで冷気の侵入を抑えられます。

価格は1本数百円程度で、ふすま1枚あたりの施工コストを抑えやすいのが魅力です。
引き戸タイプの建具も基本的な考え方は同じで、レールと戸の間にできる隙間をふさぐことが最優先になります。
防寒カーテン・のれんで開口部を仕切る
和室は廊下や隣室との間仕切りが引き戸だけというケースも多く、建具自体の対策だけでは冷気の出入りを完全には防ぎきれません。
こうした場合は、断熱カーテンやのれんを併用して開口部そのものを仕切る方法も有効です。
断熱カーテンの選び方は断熱カーテン・サーキュレーターを併用して効果を底上げするで紹介している考え方がそのまま応用できます。
費用感・優先順位の目安
和室が複数ある家でも、すべての部屋を一度に対策する必要はありません。
まずは普段の生活で長く滞在する和室、あるいは寝室として使っている和室から優先的に着手するのが効率的です。
| 予算 | 選びたい対策の目安 |
|---|---|
| 1万円未満 | すきま風防止テープ+ふすまパッキンを和室全体に施工 |
| 1〜2万円 | 上記に加え、断熱障子紙への張り替えを1部屋分実施 |
| 3万円〜 | 生活の中心となる和室に内窓DIYキットを追加検討(採寸確認必須) |
和室の断熱DIYは、数千円のすきま風防止テープ・パッキンだけでも体感の変化を得やすいのが特徴です。
予算に余裕が出てきたら、断熱障子紙、さらに内窓DIYキットへと段階的に広げていく進め方が無理なく続けられます。
施工時の注意点(和室特有)
障子紙の張り替えタイミングとDIYの相性
障子紙は経年で黄ばんだり破れたりするため、定期的な張り替えが必要な建具です。

断熱障子紙への切り替えは、ちょうど通常の張り替えのタイミングに合わせて行うと、追加の手間を最小限に抑えられます。
賃貸和室・古い建具の場合の注意
賃貸物件の和室は、退去時の原状回復を考慮した建具選びが必要になります。
賃貸での断熱DIYの選び方や注意点は賃貸物件での断熱DIY、原状回復を考慮した選び方と注意点で詳しく整理しているので、賃貸の和室で対策を検討している場合はあわせて確認してみてください。
また、古い建具は木枠自体がゆがんでいることもあり、テープを貼っても数ヶ月で剥がれてしまうことがあります。
同じ製品を貼り直すよりも、隙間の形状に合わせてテープの厚みを変えてみるほうが、結果的に長持ちする貼り方が見つかることが多いです。
和室の建具は、洋室の窓と違って「取り替える」という発想になりにくい場所です。
だからこそ、既存の障子やふすまを活かしたまま隙間をふさぐという後付けグッズの発想が相性よく機能します。
築古戸建てで和室が残っている家ほど、実は手を付けやすい伸びしろが残っているとも言えます。
今日のアクション
自宅の障子やふすまを実際に触ってみて、レール部分や召し合わせ部分に手をかざし、冷気が漏れていないか確認してみましょう。冷気を感じた部分から優先的に、すきま風防止テープを試してみてください。
次に読むべき記事
- 関連記事:➔ 内窓DIYキットを比較する。選び方の視点と代表的な製品ライン
- 関連記事:➔ 持ち家の隙間テープ・すきまパッキンを比較する
- 関連記事:➔ 賃貸物件での断熱DIY、原状回復を考慮した選び方と注意点






コメント