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高齢者・介護がいる家庭の断熱DIY、バリアフリーと介護保険住宅改修費との兼ね合い

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木製の手すりとフラットな床材のあるバリアフリーに配慮した住宅の廊下、人物なしの情景

高齢の家族と暮らす家の断熱DIYは、寒さ対策だけでなくバリアフリー・転倒防止の視点もあわせて考える必要があります。

また、介護保険の住宅改修費支給制度との兼ね合いも気になるところです。

部屋別の底冷え対策とヒートショック予防は脱衣所・トイレ・寝室、部屋別の底冷え対策とヒートショック予防で扱っているため、この記事では制度面と安全設計に絞って整理します。

目次

高齢者・介護が必要な家庭は断熱DIYの視点が変わる

ヒートショックのリスクは、特に65歳以上の年代で高まるとされています。

親との同居を控えている、または既に同居している場合、脱衣所・トイレ・廊下といった温度差の大きい場所を優先的に対策する考え方は、上記の記事で詳しく紹介したとおりです。

この記事では、そこからさらに一歩踏み込んで「介護保険の制度」と「バリアフリー・転倒防止」という2つの観点を掘り下げます。

介護保険の住宅改修費支給制度と断熱DIYの関係

制度の基本(上限20万円、対象工事6種)

介護保険には住宅改修費の支給制度があり、要介護1〜5の人は「居宅介護住宅改修費」、要支援1・2の人は「介護予防住宅改修費」として、いずれも同じ内容の支給を受けられます。

支給限度基準額は20万円で、その9割・8割・7割(所得に応じた自己負担割合による)が介護保険から支給されます。
対象となる工事は、手すりの取付け・段差の解消・床材の変更(滑り防止や移動の円滑化のため)・引き戸等への扉の取替え・洋式便器への取替え・それらに付帯する工事の6種類です。

この20万円の枠は、介護の必要の程度が3段階以上上がった場合や転居した場合を除き、原則として生涯に1回までとされています。

住宅の廊下の壁に取り付けられた木製の手すりと、部屋の入り口にあるゆるやかな傾斜のスロープ(段差解消材)

ただし1回で20万円を使い切る必要はなく、限度額の範囲内であれば複数回に分けて申請できます。
1回目の工事で残額が出た場合は、次の改修に充てることができます。

断熱DIYグッズは対象になる?グレーゾーンの実情

結論から言うと、隙間テープや断熱シートといった断熱DIYグッズ単体は、この6種類の対象工事にはあてはまらないケースがほとんどです。

ただし「床材の変更」に断熱性のある床材を使う場合や、「引き戸への扉の取替え」に断熱性能のある建具を選ぶ場合など、対象工事に付帯する形で断熱効果のある製品を選べるケースもあります。
対象になるかどうかは自治体や個別の工事内容によって判断が分かれるため、断定はできません。

工事を始める前に、必ず担当のケアマネジャーや自治体の窓口に事前相談・事前申請を行い、対象工事として認められるかを確認してください。

申請には、ケアマネジャーによる「住宅改修が必要な理由書」の作成が必要で、着工前の事前申請が必須になっている点にも注意が必要です。

手すり設置・段差解消の改修と断熱DIYを同時に検討する際の注意点

介護保険を使った手すりの設置や段差解消の工事は、業者に依頼する本格的な改修工事になります。

断熱DIYグッズは自分で後から追加できるものが多いため、まず介護保険の対象になる改修工事を先に済ませ、断熱DIYはその後の仕上げとして別途行う、という順序で進めると混乱が少なくなります。

同じ場所を先に断熱DIYグッズで施工してしまうと、後から手すりの下地を入れる工事の邪魔になることもあるため、施工順序は事前にケアマネジャーと相談しておくと安心です。

バリアフリー・転倒防止の視点で断熱DIYグッズを選ぶ

床マット・ジョイントマットの厚みと段差・つまずきリスク

床の断熱マット・断熱シートは、厚みがあるほど断熱効果が高くなる一方、床との段差がつまずきの原因になることがあります。

高齢者が生活する部屋では、厚みが5mm前後の薄手タイプを選び、部屋の出入り口付近には敷かないなど、段差を作らない配置を優先してください。

フローリングの床に敷かれた薄手のジョイントマットの断面、厚みが数ミリで段差がほとんどないことがわかる様子

マットの端がめくれていると、それ自体が転倒の原因になるため、端部を固定するテープなども併用しておくと安心です。

車椅子・歩行器の移動への影響

車椅子や歩行器を使っている場合、床に敷くマットの厚みや素材によって、車輪や脚が引っかかりやすくなることがあります。

やわらかすぎるマットは車椅子の車輪が沈み込み、かえって移動の負担が増えてしまうこともあるため、硬さのあるタイプを選ぶか、生活動線上には敷かない判断も検討してください。

すきまテープ・パッキンの角の処理

隙間テープ・すきまパッキンをドアの下部に貼る場合、テープの厚みが車椅子や歩行器の車輪・脚の引っかかりにつながることがあります。

角が立たない丸型のパッキンを選ぶ、あるいは薄手のテープを選ぶといった工夫で、日常の移動への影響を小さくできます。

費用感・進め方の目安

介護保険の対象になりやすい改修と、DIYで対応する断熱グッズを分けて考えると、進め方が整理しやすくなります。

区分内容の例費用の目安
介護保険の対象になりやすい手すり設置、段差解消、引き戸への扉の取替え上限20万円(自己負担1〜3割)
DIYで対応する断熱グッズ薄手の床マット、隙間テープ、断熱シート数百円〜数千円程度

まず介護保険の対象工事で安全性の土台を整え、そのうえで断熱DIYグッズを仕上げとして加えていく、という順番が費用面でも施工面でも無理がありません。

相談先の整理

介護保険の住宅改修費について迷ったときは、まず担当のケアマネジャーに相談するのが基本です。

担当のケアマネジャーがいない場合や、要介護認定を受けていない場合は、お住まいの地域の地域包括支援センターや、市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせてみてください。

断熱DIYグッズそのものについての相談窓口はありませんが、「この工事内容は介護保険の対象になるか」という質問であれば、事前相談の時点で答えてもらえることがほとんどです。

高齢の家族がいる家の断熱DIYは、快適さと安全性をどちらも欠かせません。
制度を使えるところは使い、DIYで補えるところは補う、という組み合わせで考えると、無理なく進められます。
迷ったときほど、専門家への一言の確認が安心につながります。

今日のアクション
高齢の家族が要介護認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーに「断熱に関わる改修が介護保険の対象になるか」を一度聞いてみましょう。

認定を受けていない場合は、まず床のマットや隙間テープの厚みを見直すところから始めてみてください。


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この記事を書いた人

IT・Web分野を本業としながら、各種製品の公開情報を集めて比較整理するメディアを複数運営しています。

『断熱DIYラボ』では、公開されている製品情報・断熱の基礎知識・国の補助金制度の仕組みをもとに、客観的な比較情報をお届けしています。

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